今週の日記/20230731

詩と散策
芽キャベツ 2023.10.31
誰でも

月曜日20230731

「書肆侃侃房」 最近手に取った書籍は、この出版社から出た作品が多かったのたのだけど、ずっと出版社の名前の読み方がわからず、わたしの中で勝手に「てるてる坊主」だと認識していた。名前を調べて「しょしかんかんぼう」と読むことを、少し前に知った。その流れでオンラインサイトを眺めている時に、ふと目に留まった、日下明さんの装画。日下さんのイラストの世界観ほ本当に好きで部屋にポストカードを飾っている。

『詩と散策』

散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編

読み始めからわかる、これは私が好きな文章だと。ひんやりとした冬の感覚。澄んだ空気に、身が引き締まる冷たさ。フィンランドで過ごした冬。どうしても忘れられない冬の一日が蘇る。大切すぎて、ゆっくりと少しずつしか読み進められない、そんな作品に出会うことがたまにあるけど、これもそうだ。ゆっくりと味わいたい。

表面が凍った湖

表面が凍った湖

2019年から2020年にかけての冬をフィンランドで過ごした。ちょうどそのころは、日照時間も短く曇天続きで、どんよりした毎日だったのだけど、その日はいつもより力強く太陽が顔を出していた。気温はマイナス10度前後。つかの間の晴れ間に、いつもと違う道を散歩をして、湖が凍っているのを目にしたとき。息を深く吸うと、ひんやりとした空気が肺に流れ込んでくるのがわかる。この感覚はとても気持ちよくて、私は深く息ができると思った。

北欧の木

北欧の木

木と湖、夕日

木と湖、夕日

『詩と散策』を読んでいるとこの日の情景が蘇ってくる。クーラーをガンガンにかけた部屋で息を吸う。早く冬になってほしいなと、茹だるような夏の一日に思う。ちなみに、この「今週の日記」シリーズのサムネイルに使用しているのもこの日に撮った写真。パリッとした冬の冷たさが恋しい。

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